MERY運営会社「ペロリ」の新代表「元アイ・エム・ジェイ(IMJ)執行役員CMOの江端浩人氏」就任予定
MERY関連のニュースは定期的にウォッチし、思いついたら記事をアップしています。
今回、MERYの件について進展がありました。前回の第三者委員会の報告の結果、MERYの運営会社「ペロリ」の代表取締役であった、中川綾太郎氏が辞任するという発表がありましたが、その後任となる予定の人物が発表されました。
その人物というのが、元アイ・エム・ジェイ(IMJ)執行役員CMOの江端浩人氏です。
IMJとは
IMJはもともとはデジタルハリウッドのコンテンツ部門が独立してできた、デジタルマーケティングの支援を行う会社です。TSUTAYAやTポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が株式の過半数を所有した子会社でしたが、昨年の2016年7月にアクセンチュアグループに株式が譲渡されました。江端氏は、2014年11月に同社のCMO(最高マーケティング責任者)に就任し、2017年3月31日に退任予定です。
江端浩人氏のプロフィール
江端氏は、総合商社の「伊藤忠商事」や、ITベンチャー「デジプリ」の創業を行い、2005年に日本コカ・コーラに入社します。そこで、マーケティング部門を指揮し、会員制サイト「コカ・コーラ パーク」の立ち上げを行いました。現在はサービスが終了していますが、私もお世話になりました。こちらのサイトで当選した、コカコーラのTシャツや、タンブラーは今でも愛用しています。その後、日本マイクロソフトに転職した後、前述したIMJのCMOに就任しました。今回、退任が決まり、白羽の矢がたった模様です。
MERYが復活するのか?
上記の記事を読むと、今回の江端氏の新社長への就任が即、復活につながるわけではないということでした。DeNA側は、今回の人事を認めた上で、以下のコメントをした模様です。
「あくまで再開については白紙。事業再開の可能性を含めて検討できる人物に全権を委ねた」(DeNA広報部)
ニュース記事では、以下の結論をまとめています。
DeNAは広告やマーケティングといった領域で知見のある「大人」に事業継続の可否までを委ねることで、社外とのコミュニケーションも含めて交通整理をしていくということだ。MERYの再開は未定だが、スタートアップとして運営してきたペロリ社が大きく変わることは間違いない。(TechCrunch Japan)
今回の人事で、新しい代表の江端氏に、MERY再開の可否を決定させるみたいです。
このニュースを聞いて感じたこと
今回、このニュースを見て、印象として感じたことは、
「着々と再開への道筋を進んでいる」
ということです。
不祥事が起きた場合の対応手順に沿うかのように、順調に進んでいます。事業再開は現在白紙で、それを含め全権を委ねると言っていますが、おそらく再開しないという判断はないと思います。なぜなら、守安社長の責任に問われるからです。すでに減損はしていますが、もし、MERYが再開できなければ、守安社長の判断による投資(iemo、ペロリ買収)は、完全に50億をドブに捨てたことになります。そもそもこの2社は、キュレーションサイト・まとめサイトしかコンテンツを持っていないわけですから。再開できなければ、投資した価値は完全に0です。経営者が経営判断を誤ったと判断されます。
前回、第三者委員会の報告発表された際の処分は減俸(月額50%減)といったものでしたが、株主がそんな生ぬるい処分で納得するとは到底思えません。Welqの事件が発生した時から、DeNAの株価は、700円近く(20%以上)も下落しています。これは、100株保持しているだけで7万円の評価損が発生しています。大株主の任天堂は、約1500万株を保有しているため、その損失は、単純計算で約100億円です。すさまじい額の損失で、これを任天堂が許容するのでしょうか。
そういった観点から言えば、会社だけでなく、株主にこれだけダメージを与えた経営者は、到底残れるとは思えません。なんとかサービス再開までこぎつけることができれば、首の皮がようやく一枚つながるのではないかというレベルです。
また、守安社長はこれで解任となってしまうと、「投資判断を誤り、会社に損害を与えた経営者」として、名前を残してしまうことになります。それは、もし会社を去ることになっても、今後のキャリアが難しくなります。そういった点から、経営者からすれば、「サービス再開に向けて前進」という気持ちがあると考えています。
そんな中で、江端氏が新社長として、どのようにMERYを判断し、ペロリを率いていくか。とても今後の展開に注目したい。そう思う、今日この頃です。