ウーバーイーツでデリバリーを頼む本当の意味〜お金のキャッシュアウトを考える
ウーバーイーツで飲食店のメニューを宅配してもらう文化が浸透しつつあります。
しかし、ウーバーイーツを頼むことは日本国内からキャッシュアウトすることを意味します。
この前知ったウーバーイーツが流行ることによる日本への大きな影響を説明します。
ウーバーイーツのメニューのテイクアウト価格に驚き
先日近所にある飲食店のお店のメニューをテイクアウトしようと思いました。
ウーバーイーツを見ていたのですが、家から徒歩3分のところにあるので、わざわざウーバーを頼むのももったいないです。
そこで電話でウーバーイーツのメニューをテイクアウトできるか質問したところ、テイクアウト可能と言われたので、取りに行きました。
その時驚いたのがテイクアウトの価格です。
ウーバーイーツでは1300円のメニューをテイクアウトで注文しました。
しかし、会計をした際に請求されたのは、なんと300円も安い1000円でした。
ウーバーイーツが割増価格になる理由
ウーバーイーツの価格よりも300円も安いことに驚き、思わずお店の人に安くなった理由を尋ねました。
すると、ウーバーイーツ側に支払う手数料の関係上、割増価格にしないと利益が出ないためということでした。
ウーバーイーツの宅配システムを利用することへの手数料がかかるのは理解できます。
けれども手数料のために30%もアップした価格にしないといけないことは、すなわち手数料が30%近いことを意味します。
メルカリやヤフオクなどでも手数料はかかりますが、10%ほどです。
それに対し、ウーバーイーツは30%ということなので、かなり高い手数料であることが分かります。
ウーバーイーツは注文者もシステム利用料が発生
さらに驚くべきことはウーバーイーツでは、お店だけでなく、宅配を頼む利用者側にも手数料を集める点です。
システム利用料は一回の注文につき300円の定額料金がかかります。
ウーバーイーツはビジネスモデルでいうとマッチングですが、マッチングさせる飲食店と利用者の双方から費用を取っています。
さらに、利用者は配送料という形で、費用を支払っています。
- お店側の手数料
- 利用者の利用料
- 商品の配送料
これら3つを合わせるとかなりの金額がウーバーイーツに支払われることになります。
ウーバーイーツが得る金額をシミュレーション
実際にウーバーイーツが1回の注文で得る金額はどれぐらいになるか、計算してみました。
まず単身者を想定し、私が注文した1300円のメニューを一食注文し、配送料は300円としてみます。
ただし、配送料は商品を配送した人に全額入るとします。
すると、お店側の手数料が300円、システム利用料が300円、配送料が300円と合計900円の手数料が発生します。
その中で、ウーバーイーツに入るお金を計算すると、600円です。
もともとのメニューの値段が1000円だとすると、60%もの手数料が生じていることになります。
次に同じメニューを二人分として考えてみましょう。
この場合、システム利用料や配送料は変わらないものの、お店側の手数料が300円増えます。
その結果、元の値段が2000円に対して、手数料は900円。
45%の手数料がかかっている計算になります。
このようにウーバーイーツを注文することで、45〜60%もの高額な手数料が発生しているわけです。
45-60%の手数料が日本からアメリカにキャッシュアウト
このシミュレーションしたお金の動きを考えると、日本からアメリカにキャッシュアウトすることになります。
これだけの金額が問答無用でアメリカに吸われてしまうわけです。
日本のキャッシュすなわち現金が目減りした分、アメリカが豊かになります。
このようなキャッシュアウトが発生していくと、日本のもつ資産が流出し、どんどん貧しくなってしまいます。
GAFAのサービスも同様にキャッシュアウト促進
今回ウーバーイーツの手数料にフォーカスしましたが、これはウーバーイーツだけにとどまりません。
GAFAでも同じような事象が起きています。
例えば、グーグルやアップルはそれぞれのAndroid、iOSのスマホで独占的な地位を確立しています。
アプリストアでは売り上げの30%が自動的に手数料として得ている状態です。
さらに、Amazonも売り上げの手数料を得ており、そうした収益が日本から海外に流出しているわけです。
これだけITインフラとも言える部分を握られてしまっては、生活にかかるコストのうちかなりの割合が日本からのキャッシュアウトになります。
これは人口減少社会を迎え、成長性が乏しい日本にとっては深刻な問題です。
稼ぐ能力は弱くなっているのに、支出のうち海外に支払う割合が増えていく。
結果的に負のスパイラルのように日本全体の経済能力の落ち込みが予想されます。
お金を使う意味をマクロな視点で
ウーバーイーツの件は自分だけの個人的な視点では、そこまで大きな支出の割合ではないかもしれません。
しかし、日本にウーバーイーツが浸透しており、一定の割合の日本人がウーバーイーツを利用するとなると、無視できないくらいの規模になります。
自分1人のミクロな視点だけではなく、マクロな視点が求められます。
なお、ウーバーイーツで飲食店の料理を配達する新しい仕事が生まれたかもしれません。
しかし、この配達の仕事は業務委託契約で、事故してもウーバーイーツは責任を取りません。
さらに、最初のうちは高額が稼げるということだったのが、徐々に配達人に支払う費用を削減しています。
このように外資系企業は、自分たちがシェアを獲得し、独占できたとみるや、利益を取りに行く傾向にあります。
そうした行為を防ぐために日本発のサービスと競合状態を続けることが消費者にとってもプラスに寄与します。
1人ではなく、マクロな視点を長期的な目線で考えることが大切です。
終わりに
ウーバーイーツでは日本からアメリカに手数料という形でかなりの金額がキャッシュアウトしてしまうことを紹介しました。
支払った金額の40-60%近い金額が通常の商品価格の割増となり、支出になっています。
もちろんその対価に利便性が提供されますが、人口減少社会となり稼ぐ力を失いつつある国にとっては、こうしたサービスは徐々に経済能力を奪う毒のような作用をもたらします。
将来的にはよりシェアが進み、手数料がもっとかかるようになるかもしれません。
マクロ+長期的な視点で自分が使うお金がどのような効果をもたらすか考えなければいけないと感じます。