ヤマタケのWebサイト運営論~戦略・仮説検証・情報収集・Webで言えないこと

月間39万PVのブログを運営中の管理人が、どうすればアクセスアップするか考え、そのための情報収集方法を探し、さらにWebでは言えない意見・主張を吐露するブログ

有料動画配信サービスの巧妙なマネタイズ戦略ー会員離脱を防ぐユーザーに優しくない巧妙な仕組み

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最近は、有料動画配信サービスが増加してきています。HuluやDAZN、UNEXTなどいろりいろなサービスが出てきています。

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そのなかで、UNEXTを利用したのですが、会費を継続して徴収する仕組みがしっかり設計されているサービスだと感じました。無料体験→有料会員への自動移行だけでなく、退会忘れを気づくのを送らせる戦略や、退会を踏み留まらせる契約形態など、非常に巧妙です。

 

ぜひ、皆さんにも知っておいて気を付けてほしいと思い、今回、どれだけ動画配信サービスがユーザーに気づかれないように会費を集めているか、U-NEXTを例にして、紹介したいと思います。

元々は、30日間の無料体験を利用

今回紹介するU-NEXTは元々は、30日間無料体験ができるということで加入しました。見放題サービスということで色々な動画が見ることができるため、移動中や、パソコンで作業しながら眺めていました。

 

謎のサービスも同時契約。解約したのそっちだった!

今回最初にはまった、U-NEXTのユーザを陥れる戦略は、無料体験の30日以内の解約でした。お金の話は敏感・しっかりしているので、もちろん解約のことも認識していました。そして、忘れずに解約手続きを行いました。しかし、解約したのは、動画見放題サービスではなく、それに付加され自動的についてくる音楽配信サービスでした(笑)

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無料期間内の解約に失敗

そのため、本来の動画配信サービスが解約できていませんでした。しかも、個人的には解約したものと認識しているので、頭から抜け落ちています。確かに確認不足といえば、その通りですが、この時点でユーザーフレンドリーのかけらもなく、有料会員獲得のためにユーザーをはめるポイントを設置していることが分かります。

 

退会忘れを気づかせるのを送らせる月末請求

前述のユーザーが退会を忘れてしまった場合、よほどのことがないと自ら思い出すことは難しいです。ただ、そんな時に、ユーザーが気づく・思い出すポイントになるのが、会費請求です。クレジットカードの支払い項目に動画の利用料が含まれていることに気づいてようやく退会していなかったことに気づきます。

 

ただ、ここにも落とし穴がもうけられています。その落とし穴は、『月末に請求が来ること』です。これによってクレジットはどうなるかといえば、まず翌月払いになります。すると、例えば、6月分の費用の引き落とし・請求書が届くのは、7月末、遅いと8月末になります。こうすることで、自動的に翌月・翌々月の費用も徴収するというメリットが生じます。これは、ユーザーにはまったくメリットがないひどいやり方ですが、動画サービス提供会社にとっては、非常にメリットが大きいです。

こうして、少しでもユーザーが会費を支払う期間を増やし、収益を確保しています。さらに、クレジットカードの明細を確認しない人は、気づくポイントを完全に失います。

 

解約即利用停止を謳い、解約をやめさせ、引き続き継続させる戦略

最後が強烈にずる賢い戦法です。月が変わると、その月の利用料が発生します。にもかかわらず、そこで解約すると、会費を支払っているにも関わらず、動画サービスが利用できなくなります。8月1日で解約しても、8月分の会費が必要になるわけです。その上、会費を支払ったのに、8月1日以降は、動画を観ることはできません。

これっておかしくありませんか?

 

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さらに、ここに狡猾さが見えるやり方があります。そういった事実を突きつけ、『退会すると、動画見れなくなりますよ。』と言って、月末に解約する方がいいと暗に示して、解約を思い止まらせます。これで、また月末に忘れてしまったユーザーからは、ちゃっかり来月の利用料を徴収する。違反ではないが、モラルが欠如してしまった方法です。

 

フェルミ推定で利益計算

実際にフェルミ推定でその狡猾な戦略による利益を計算してみましょう。以下の条件を設定しました。

  1. ユーザー1万人が無料登録し、そのうち、30%が退会を忘れる
  2. 2か月後のクレジットカードの支払いで気づき、解約しようとするも、月初だからといって、40%の会員の解約をとどまらせる
  3. 踏みとどまったユーザーのうち、30%がまた退会を忘れる。
  4. 退会忘れのユーザーの10%が明細を見ない

 

10000人→①3000人②1200→③360+④300=660人

660人×2000円=1320000

出ました!132万円です。月額でこれだけの金額が入ってくるのはとても大きいです。さらに前段で3000人が2ヶ月分払うと、3000×2000×2=12000000

1200万円にもなります。これって結構な金額だと思います。

 

今回のは、かなりの仮定を含んだ条件なので、実際にこれだけの金額を得ているわけではないかもしれません。しかし、少なくとも、私が落とし穴にハマったように、他のユーザーも同じ思いをしているかもしれません。

 

ぜひ、こういった意図しない出金を防ぐには、きちんと確認・忘れないようリマインダーを設定することが大切です。動画サービスの会費徴収戦略を多くの人に知ってほしい。そう思う今日この頃です。