先日、Welqなどのまとめサイトを運営していたDeNAが、一連の問題について調査結果を公表しました。簡単にその調査結果を受けて、起こったことをまとめました。
処分や対応の概要
今回の報告で発表された、処分や今後の対応
著作権違反の被害が確認された記事の数が1.9%~5.6%の2万本程度だったりと、絶対にそんなに少ないことはないはずですが、著作権違反は親告罪なので、権利者から訴えがなければ、違反ではないということを考えれば、著作権違反をしっかり主張してきたサイト運営者のみと考えると、これぐらいの数字が妥当なのかもしれません。
対応ですが、申告を受けたら対応するが、申告がなければ、対応しないということでした。しかも、現在サイトは非公開で、調査できない。つまり、今申告していなければ、以降は申告できないカラクリです。まさに盗人たけだけしいとはこのことです。
今回の調査報告で気になったポイント
今回、調査報告書で気になったワードあります。それは『永久ベンチャー』という言葉です。今回の事件が発生した原因の根底には、DeNA社内にあるこのワードに対する意識であると考えます。
ベンチャー企業は組織に規模が拡大するにつれて、どんどん大企業化します。それ単体としては、社員としても、様々な福利厚生が整備され、メリットもあります。しかし、ベンチャー企業が持っていたチャレンジ精神というのは確実に薄まっていきます。入社してくる社員も、売上拡大に伴い、安定といった面に魅力を感じるのは否めない事実だと思います。
そういった点を考慮して、永久ベンチャーを標榜し、挑戦するスピリッツを保持することはとても大事です。人間も同じですが、新しいことへの挑戦や学びをストップすると、そこで成長も止まり、むしろ退化する一方です。リスクが大きい、成功するかも分からない新しいことに挑戦することで、組織は活性化されます。
永久ベンチャーのあるべきマインド
しかし、今回の永久ベンチャーで誤っていたのは、挑戦するリスクの種類です。今回のまとめサイトにおけるリスクは、著作権違反というリーガルな面に対するリスクです。これは、企業のコンプライアンスに関わる問題で、大企業になれば、従うべき法令遵守です。本来『永久ベンチャー』として取り組むべきは、新規事業の成功するか失敗するか分からないというリスクであるべきです。そうではなく、失敗するリスクを低減するために、逆に法律的にグレーであった部分を企業として、取り組むことは誤りだと考えます。
例えて言うと、学生などの子どもであれば、まだ法律的にグレーな行為をすることは、百歩譲って、その後改善すれば、社会は許してくれるかもしれません。しかし、大人は法律という国民が守るべきルールを守るのが当たり前です。子どもから成長した大人がさらに、法律的にグレーなポイントを攻めるというのは、やってはいけないと思います。
それをやってしまったのが今回のDeNAのWelqなどのまとめ問題と思います。永久ベンチャーとして、挑戦すべきリスクの方向性をシフトできていなかった、そう判断しています。
今回のまとめ
今回の出来事は、DeNAは信頼できない会社であることを証明した報告でした。なぜまとめの問題が起きたかと言えば、私の個人的な意見ですが、DeNAのベンチャースピリットの暴走と推測します。
今後はDeNA社内で『永久ベンチャー』の言葉の意味をしっかり再定義し、あるべき方向で新しいことにどんどん挑戦してほしい。そう感じる今日この頃です。