Twitterが女優の凍結問題を受け、新ルールに改善・変更!異議申し立て透明化、ヘイト・暴力・ポルノの取締り強化
アメリカの女優ローズ・マッゴーワンがTwitter上でセクハラについて告発・言及した際に、アカウントが一時凍結された問題を受け、アメリカのツイッター社のCEOが新しい嫌がらせ対策のルールを導入することを発表しました!
日本の凍結問題とは少し異なる事情
この問題は、以前このブログで紹介した、日本で起きた「絵師を凍結させる方法」とは少し異なります。
女優のセクハラ問題では、批判の矛先となったのは、野放しにされている嫌がらせツイートです。日本でも、拡散されたツイートなどでは「クソリプ」と称した、嫌がらせツイートが横行しています。これらが処罰の対象とならず、セクハラを告発したアカウントが一時凍結されたため、ユーザーの不満が高まりました。その結果、ツイッターをボイコットする運動にまでアメリカで発展したそうです。
Twitter最高責任者がルール改善を明言
一連の問題を受け、Twitterのジャック・ドーシーCEOは、以下のツイートを投稿しました。
「信頼を構築するために、われわれの行動にはもっと透明性が必要」
具体的には、ルールに違反したユーザーとのコミュニケーションや対応方法などを変更するとのことです。新しい改善されたルールは段階的にスタートしていきます。最初の改訂は、2017年10月27日からです。
1つめの改正(2017年10月27日~)
特に改善ルールでは、アカウントが凍結された場合の異議申し立てについて、改善が行われます。今までこのあたりは、なぜ凍結されたのか、ユーザー側が分からず、不透明な部分でした。こちらが、手違いによる凍結でない場合は何がルール違反なのかを詳しく説明を受けられるようになるとのことです。
2つめの改正(2017年11月上旬~)
続いての改善では、アカウント一時凍結され、ツイートの削除を求められた際に、どのルールに違反したかを電子メールとアプリ内で説明が行われます。また凍結時には電子メールでユーザーに告知も行われるとのことです。
さらに、「ヘイトを含む画像やシンボル」をアイコンやヘッダーも使用不可・禁止になります。こうしたコンテンツが含まれる場合はツイートが非表示にされます。
3つめの改正(2017年11月中旬~)
違反報告の優先順位付けの技術・アルゴリズムが改良され、ルール施行の際に考慮している要素について、記事で説明があるそうです。
4つめの改正(2017年11月下旬~)
ヘイトワードを使ったユーザー名が禁止に。
5つめの改正(2017年11月下旬~)
暴力を賛美・許容するコンテンツも削除対象になります。また、ルール違反を目撃した第三者からの通報のレビュープロセスへの変更になるそうです。今までは被害者からの通報のみでしたが、第三者からの通報も有効となり、全ユーザーに通報レビューが適用されます。
今後のスケジュールについては、ITMediaの記事をぜひご参照ください。
ガチガチの取締りルールに危惧
今回のルール改善は、規制強化のタイプの改正です。記事の内容だけ見ていると、かなり取締りが強化され、さらに通報プロセスにまで改善が踏み込まれています。
ただ、判定基準のあいまいさを残ってしまうと、このような規制強化は、逆に危ういのではないか?という危惧があります。というのも冒頭に紹介した、絵師を凍結させる方法も、Twitter社の凍結アルゴリズムの欠陥をついたものを悪用した方法です。こうしたように、どうしてもルールには抜け道や、抜け穴が発生してしまうと仮定した際に、悪用される可能性がぬぐいきれません。
もちろん、なぜ凍結されたのか、説明がもらえるということになっています。私の意見としては、まず、ここの透明性がしっかりと担保したうえで取り組むべき対策になると考えています。この透明性が新しいルールを導入したけれども、改善されていない場合、今回の規制強化は、ただ単に、表現・発言の自由が狭められるだけのことになりかねません。
終わりに
今回、米ツイッター社のジャック・ドーシーCEOによって、嫌がらせ対策強化とその透明化の実施方法と、そのスケジュールが紹介されました。
今回の発端は、日本の凍結問題はもちろん影響していますが、どちらかといえば、アメリカの女優セクハラ問題を発端としたもののようです。
この2つの施策は同時に実施するべきものではなく、まず透明性を確保する。その上でしっかり規制強化を進めることが大切だと考えます。また、絵師を凍結させる方法のように、悪用されないように落とし穴や抜け道を作らないシステムが求められます。
個人的には規制強化によって、自由な意見が発信できなくなることを少し危惧しています。オープンなSNSを維持したまま、ヘイトや暴力などの不適切な表現を取り締まってほしい。そう思う今日この頃です。
※2018年3月17日追記
Twitterアカウントの凍結理由が、アカウント凍結の際に通知されるようになりました!